医療法人慈光会 甲府城南病院

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臨床工学室

臨床工学技士とは

臨床工学技士はメディカルスタッフの一職種であり、現在の医療に不可欠な医療機器のスペシャリストです。臨床工学技士は医学と工学における両面の知識を持ち今後益々増大する医療機器の安全確保と有効性維持の担い手としてチーム医療に貢献しています。人工呼吸療法・血液浄化療法・体外循環・医療機器の管理などの生命維持管理装置の操作及び保守点検を行うことを業務とし、院内の様々な医療機器の管理を行い、医師をはじめとする他の医療職種と密に連携し、チーム医療の一躍を担っています。今後、益々増える様々な医療機器に対し、安全確保と有効な治療を患者さんに提供するため貢献しています。

血液浄化業務

 血液浄化とは、人工透析療法・血液濾過療法・血漿交換療法 ・血液吸着療法などの総称で、体内に貯まった老廃物などを排泄、もしくは代謝する機能が働かなくなった場合に行う治療法です。各々の血液浄化療法には、専用の機器・装置が用いられます。その機器や装置の操作、および保守点検を行っています。

 当院は透析ベッド数22床で積極的に透析液清浄化に取り組み、オンラインHDFやI-HDFを取り入れています。当院の特徴である循環器疾患、脳血管疾患などの透析患者さん特有の合併症対策に医師、看護師、その他コメディカルスタッフと共にチーム医療に取り組んでいます。また、透析中のリハビリやシャントエコー・シャント拡張術、心不全やCRRTなどの急性血液浄化療法にも対応しています。

人工呼吸器業務

 人工呼吸器は呼吸に関する何らかの障害を負ったときに、その呼吸を補助または代行する装置です。このような装置は生命維持管理装置、あるいは生体機能代行装置とも呼ばれます。その人工呼吸器の始業・終業点検を含めた保守管理業務を行っています。また、毎日、人工呼吸器の巡視を行い人工呼吸器が安全に使用できる様に努めています。

循環器領域業務

 臨床工学技士は、心臓カテーテル検査治療で生体情報をモニタリングしながら循環動態の監視や治療装置の操作と準備を業務とし、循環動態が不安定な場合には、医師の指示のもと、IABPなどの循環補助装置の操作を行います。不整脈の治療として、体内式ペースメーカー、体外式ペースメーカーの設定を行い、ペースメーカー外来や遠隔ペースメーカー管理やトラブルにも対応しています。また、アブレーション業務を開始し3DマッピングシステムやEPS業務に携わっています。

医療機器管理業務

 院内で使用される医療機器(輸液ポンプ、シリンジポンプ、心電図モニター、人工呼吸器等)の貸出管理、点検・修理、部品管理、清拭、機器メーカーへの修理依頼等の機器管理業務を行います。また病棟で使用している医療機器が安全に使用できているかなどのラウンド業務を行っています。医療機器を管理することにより安全性の向上、購入および廃棄を計画的に行うことによるコスト削減等、医療機器の高度化および安全性が厳しく問われている現在において、責任ある重要な業務のひとつとなっています。

院内教育

 他部門と連携し、新卒研修、新規導入機器の勉強会、AEDや人工呼吸器の勉強会など積極的に教育活動に携わっています。

院外活動

 日本臨床工学技士会や山梨県臨床工学技士会の活動、その他日本循環器学会、日本透析医学会など各種学会への演題発表等も積極的に行っています。

資格

  • 3学会合同呼吸療法認定士
  • 透析技術認定士
  • 血液浄化認定臨床工学技士
  • 医療機器管理認定臨床工学技士
  • AHA BLS HP
  • 第2種ME技術実力検定
  • 日本不整脈心電学会デバイス認定士
  • 臨床工学技士・臨床検査技師Wライセンス

所属学会

  • 日本臨床工学技士会
  • 日本透析医学会
  • 日本体外循環技術学会
  • 日本医療の質安全学会

学会発表

  • Electrical Cardiometry(EC)による透析患者の臨床評価
     第60回日本透析医学会 石井 仁士
  • 透析困難症例に対するASV(Adaptive Servo Ventilator)の効果
     第30回日本循環器学会 石井 仁士
  • β2ミクログロブリンと心臓超音波検査で得られた各種パラメーターとの関係
     第31回日本循環器学会 石井 仁士
  • 透析症例における心不全とh-ANPとBNPの有用性
     第32回日本循環器学会 石井 仁士
  • 心不全維持透析患者に対する運動療法による効果の検討
     第33回日本循環器学会 石川 平
  • 大動脈弁狭窄症を有する慢性維持透析患者の比較検討
     第34回日本循環器学会 石川 平
  • シャントマッサージによるVAIVT感覚延長の有用性の検討
     第30回日本臨床工学会 河野 佳菜
  • 透析アミロイドーシスに対するリクセルの臨床評価
     第65回日本透析医学会 平井 慎吾
  • 頻回なシャント狭窄へのDCB使用による開存率の検討
     第68回日本透析医学会 石川 平
  • 止血困難症例に対する穿刺部被覆保護用絆創膏の比較
     第48回山梨透析研究会総会 平井 慎吾
  • キンダリー透析剤4Eからキンダリー透析剤5Eへの変更による臨床評価
     第4回関東甲信越臨床工学会 平井 慎吾
  • BTS機能の有用性について
     第34回日本臨床工学会 河野 佳菜