医療法人慈光会 甲府城南病院

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臨床検査科

臨床検査科

 臨床検査科では、各学会から認定された技師も在籍しており、夜間や休日を含めた24時間365日体制で検査データを提供しています。
 認定資格取得(超音波検査士、心臓リハビリ認定士など)を目指し、専門的で高度な知識を身につけ質の高い検査が行えるよう日々努力しています。
 女性が働きやすい環境を整えており、育休や育休復帰後の時短勤務が取得できます。

検体検査

 患者様から採取された検体(血液、尿、便等)を用いて様々な検査を行っています。

生化学検査

 血液を遠心分離機にかけると、血清部分(黄色い部分)と血球成分に分かれます。この血清を用いて蛋白質、酵素、糖質、脂質、電解質などを測定し、肝機能、腎機能、糖や脂質の代謝などを調べます。

免疫・血清学検査

 HBs抗原やHCV抗体の肝炎ウィルス検査や甲状腺ホルモン等の内分泌検査を測定しています。

血液検査

 赤血球、白血球、血小板やヘモグロビンなどを測定し、貧血や血液疾患の有無、炎症の程度などを調べます。また、血液が固まりやすいかどうかについても調べます。

一般検査

 尿の成分を測定することにより、腎疾患や尿路感染症、糖尿病などの病態把握に役立ちます。また、便潜血、髄液の検査も行っています。

生理検査

心電図検査

 心臓の電気的活動を体表の電極で検出して調べる検査です。リズムの乱れや波形の変化で、不整脈の鑑別、心肥大や虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)等の鑑別診断に役立ちます。

  • 12誘導心電図検査
     両手足に各1個、胸に6個の電極をつけて心電図を記録します。
  • ホルター心電図検査
     胸部に電極シールを貼り、日常生活を行いながら心電図変化を調べる検査です。
     長時間の心電図を調べることができ、症状があるときの心電図変化を調べられます。
心肺運動負荷検査(CPX)

 心臓に病気のある方でも、心臓に負担をかけずに安心して長時間運動が続けられる運動強度(どの程度の運動に耐えられるか)を調べる検査です。また、心臓リハビリテーション時の運動処方作成、高血圧や糖尿病などで運動療法が必要な方に用いられます。

超音波検査

 超音波を利用して、体内の臓器や血液の流れる様子を観察します。別名エコー検査とも呼ばれます。被曝の心配がなく繰り返し検査が可能であり、妊娠中の方、人工弁やペースメーカーにも影響はありません。
 超音波を出す探触子(プローブ)と呼ばれる部分を、皮膚に押し当てて検査を行いますが、このとき皮膚との間に空気が入らないようにゼリーを塗ります。また、画面が見やすいように検査室は暗くして検査を行います。

  • 心臓超音波検査
     心臓の動き、壁の厚さ、心臓内の弁の状態などを観察する検査です。心臓の中の血流評価も行います。
     心臓疾患の診断治療には欠かせない検査で、心筋梗塞や心臓肥大、弁膜症、先天性疾患などの診断に有用です。また、治療方法の選択、治療効果の判定などにも役立ちます。必要に応じて運動や薬物で負荷をかけて検査を行うこともあります。
  • 腹部超音波検査
     主に肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓などの形態を観察する検査です。食事をしてしまうと見にくくなる部分がありますので、原則的には食事をとらない状態で検査します。
  • 頚動脈超音波検査
     頚動脈(首の左右両側)に超音波をあて、動脈壁や動脈内の状態を観察します。脳梗塞、心筋梗塞、狭心症、全身の動脈硬化疾患の可能性を調べるのに有用な検査です。
  • 下肢静脈超音波検査
     心臓への血液の戻りが悪くなると足がむくみ、足の血管(静脈)に瘤や、血液の固まりができることがあります。超音波検査で原因を見つけることにより、診断や治療に役立てます。
呼吸機能検査

 息を吸ったり吐いたりして肺の能力を調べる検査です。当施設では主に「肺活量(VC)」と「努力性肺活量(FVC)」を行っています。鼻をクリップでつまみ、マウスピースをくわえて技師の声掛けで検査を進めていきます。

脳波検査

 脳から発する微弱な電気を頭部に電極をつけてとらえ、脳の働きを調べる検査です。てんかん等の脳疾患の診断や鑑別に役立ちます。

眼底検査

 眼底カメラを用いて眼球の奥にある血管、網膜、視神経を調べる検査です。 血管の状態を観察することで、高血圧や動脈硬化の程度、糖尿病性の変化など全身の病気が推定できます。

血圧脈波検査

 血管を流れる血液の脈動の速さや四肢の血圧を測り、血管の硬さと狭窄(動脈硬化の程度)を調べる検査です。上腕と足首の血圧の比を測定することで血管の狭窄の程度が分かります。

終夜睡眠時ポリグラフィー検査

 睡眠中の呼吸状態を評価する検査です。睡眠中の無呼吸や低呼吸の回数を計測し、睡眠時無呼吸症候群の重症度を調べます。睡眠時無呼吸症候群は心臓疾患とも強い関係性があり、無呼吸は心臓に大きな負担を与え、逆に心臓への負荷が無呼吸を増悪させることもあり、循環器領域においても非常に重要な検査となっています。持続陽圧呼吸療法(CPAP)導入にも必要な検査です。

スタッフ

臨床検査技師 男性3名 女性5名

 

認定資格

超音波検査士(循環器領域) 2名
認定心電検査技師 1名
心血管インターベーション技師 4名
緊急臨床検査士 1名
二級臨床検査士(免疫血清学) 1名
二級臨床検査士(微生物学) 1名

 

所属学会

日本循環器学会
日本超音波医学会
日本超音波検査学会
日本心不全学会
日本不整脈心電学会
日本心血管インターベーション治療学会
日本心臓リハビリテーション学会
日本環境感染学会

 

■学会発表

第34回 日本感染学会(2019年)
 超音波探触子の汚染調査と環境清拭用クロスによる洗浄効果
第82回 日本循環器学会(2018年)
 心不全管理を視点とした持続陽圧呼吸療法(CPAP)におけるアドヒアランス(遵守性)とBNPの関係
第81回 日本循環器学会(2017年)
 睡眠時無呼吸症候群(SAS)における無呼吸低呼吸指数(AHI)と自律神経調節(迷走神活動度)との関係について
第80回 日本循環器学会(2016年)
 睡眠時無呼吸症候群が自律神経と心機能に及ぼす影響
第79回 日本循環器学会(2015年)
 高血圧性心における冠動脈左主幹部のDSVRの意味